コロナワクチンの2回接種が進んできたと思ったら、変異株対策でブースター接種を行う方向性が示されました。これだけ長期化するとさすがにしんどくなってきました・・・。
そうこうしている間に、早くもインフルエンザワクチンの話題が出る時期が到来。
ここで思い出すのは、今夏のRSウイルス・アデノウイルス等による感染症の大流行です。
昨年1年間、徹底的なコロナ感染対策が奏功してか、ほぼ全ての感染症が抑え込まれたのは周知の事実。
ただ、従来ならば不定期にまたは季節的に暴露されていたウイルスの脅威から一定以上の期間遠ざかったことで、いわゆる免疫システムの脆弱化を来した、とも言われています。
話をインフルエンザに戻します。
夏場の南半球でのインフルエンザの動向がその年の冬の日本を含む北半球の流行予測に有用とされていますが、その南半球では散発的な流行の確認にとどまっているようです。
ホッと一安心したいところですが、前述の理由で今冬のインフルエンザ流行を懸念する声があるのも事実。
ということで、以下の疑問。
①インフルエンザワクチンは接種した方が良い?
②インフルエンザワクチンは十分足りている?
③インフルエンザワクチンはいつから接種できる?
①結論から言えば答えは「YES」です。
昨年を除けば、毎年1.000万人ほどの人がインフルエンザに罹患し、その中で1万人ほどの人が亡くなられている(直接死・関連死計)。
新型コロナウイルス感染症ほど致死率は高くありませんが、多くの人が罹患すれば絶対数は増えますね。加えてコロナ禍の病床逼迫を考慮した際には、やはり罹患しない(リスクを下げる)対策は重要。
となると、基本はワクチン接種となります。
②これに関してはおそらく「NO」です。
平成27年~令和元年は2.643万~2.964万本の供給に対して2.491万~2.825万本の使用実績。
昨年(令和2年)は3.342万本の供給に対して3.274万本の使用実績(いずれも過去最高)。
今年のワクチン供給量は例年通りの見込みとのことなので、昨年比では80%前後になるようです。
これに伴い、当院への今年のワクチン納入も昨年比でMax 80%と説明を受けています。
昨年の当院では延べ400人超の方にインフルエンザワクチンを接種できましたが、極めて厳しい状況です。
③接種開始は例年通りとしたいですが、現時点では「不確定」です。
ワクチン供給のペースも昨年度より遅れるとの見通しが発表されており、昨年を除く過去5年間と比べても供給ペースは同等もしくは遅れるようです。
当院におけるインフルエンザワクチンの接種予約については、原則としてHP上の予約フォームからのみの受付となります。
準備でき次第HPにアップしますので、お手数ですがご確認願います。
なるべく早く、なるべく多くの希望する人にインフルエンザワクチンをお届けしたいと考えていますが、前述のように限界があります。
どうぞご理解頂きますよう、お願いします。
グラフは、
第26回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 研究開発及び生産・流通部会の資料の一部です
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