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補聴器と認知症についてのQ&A

Q1.難聴は認知症の原因になるのですか?

 

A.直接の原因とは言い切れませんが、重要なリスク要因の一つと考えられています。
世界的な大規模研究では、「治療されていない難聴」は将来の認知症リスクを高める“予防可能な要因”として位置づけられています。聞こえにくさにより会話や社会活動が減ることが、脳への刺激の低下につながると考えられています。

Q2.補聴器を使うと認知症は予防できますか?

 

A.必ず予防できるとまでは言えませんが、認知機能低下を遅らせる可能性が示されています。
観察研究では、補聴器を使用している人のほうが、認知機能の低下が少ない傾向が報告されています。また、2023年の大規模研究では、認知症リスクが高い方では、補聴器によって認知低下が抑えられたという結果が示されました。

Q3.どのような人が特に注意した方がよいですか?

 

A.聞こえに不安があり、高血圧・糖尿病・運動不足などの生活習慣病がある方は、特に注意が必要です。
これらの因子は、認知症と難聴の両方に関係するとされており、「聞こえ」と「生活習慣」の両方を整えることが大切です。

Q4.補聴器は何歳から考えた方がよいのでしょうか?

 

A.年齢に関係なく、「聞き取りにくさ」を感じた時点で相談することが大切です。
特に中年期(40~60歳)からの難聴対策が、将来の認知症予防の面でも重要とされています。「まだ早い」と我慢せず、早めの聴力チェックをおすすめします。

Q5.補聴器はつけるだけで効果がありますか?

 

A.正しい調整と、継続的な使用・フォローが重要です。
補聴器は「つければ終わり」ではなく、適切な調整・使い方の指導・定期的な確認が必要です。当院では、耳の状態や生活環境に合わせたアドバイスも行っています。

院長からのひとこと

 聞こえの低下を放置すると、会話や外出が減り、知らないうちに認知機能の低下につながる可能性があります。**補聴器は“聞こえの改善”だけでなく、“将来の脳の健康を守る一つの手段”**と考え、気になる方は早めにご相談ください。

医学的根拠

 

 近年、難聴と認知機能低下の関連が注目されています。観察研究のメタ解析では、補聴器を使用している人は、未使用の難聴者と比べて認知機能低下のリスクが低い傾向が示されています。

さらに2023年の大規模RCT「ACHIEVE試験」では、全体としては明確な差は小さいものの、認知リスクの高い集団では補聴器介入により認知低下が有意に抑制されました。未治療の難聴は、認知症の重要な可変リスク因子と位置づけられています。

参考文献

・Lin FR, et al. Lancet, 2023(ACHIEVE試験)

・JAMA Neurology 系統的レビュー/メタ解析
・Sanders ME, et al. PLOS ONE, 2021
・Livingston G, et al. Lancet Commission, 2020

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