
口呼吸と感染症の関係についてのQ&A
Q1.口呼吸は、なぜ感染症にかかりやすくなるのですか?
A.鼻の“防御機能”を通らずに、ウイルスや細菌が直接体内に入り込みやすくなるためです。
鼻には、
・ウイルスやホコリを除去する「フィルター機能」
・冷たい空気を温め、適切な湿度にする機能
がありますが、口呼吸ではこれらが働かず、のどや気道がダイレクトに感染を受けやすくなります。
Q2.口呼吸の人は、風邪やインフルエンザにかかりやすいのですか?
A.はい。かかりやすい傾向があると考えられています。
口呼吸が続くと、のどが乾燥する・粘膜のバリア機能が低下するため、風邪・インフルエンザ・新型コロナウイルスなどの感染症に対する抵抗力が落ちやすくなります。
Q3.子どもの口呼吸も、感染症リスクが高まりますか?
A.はい。特に注意が必要です。
子どもはもともと免疫が未熟なため、中耳炎・副鼻腔炎・扁桃炎・気管支炎などを繰り返しやすくなります。
また、口呼吸の背景に鼻づまりやアデノイド肥大などの病気が隠れていることもあります。
Q4.寝ているときの口呼吸も問題になりますか?
A.はい。無意識の口呼吸こそ、感染症リスクが高まります。
就寝中は長時間口が開いたままになり、のどの乾燥・唾液による殺菌作用の低下が起こり、「朝起きるとのどが痛い」「よく風邪をひく」といった原因になります。
いびきや睡眠の質の低下にもつながることがあります。
Q5.口呼吸を防ぐために、日常でできることはありますか?
A.はい。いくつか簡単にできる対策があります。
・鼻づまりがある場合は、まず耳鼻科で原因を確認
・口テープなどで就寝時の口呼吸を予防(※無理のない範囲で)
院長からのひとこと
口呼吸は「癖」ではなく、「体からのSOS」であることが少なくありません。
鼻づまりやアレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎などが背景にあるケースも多く、放置すると感染症だけでなく、睡眠障害や学習・集中力の低下にも影響します。
「いつも口が開いている」「寝ているときに口が開く」「のどの痛みを繰り返す」など気になる症状があれば、早めにご相談ください。
医学的根拠
鼻呼吸には、空気中のウイルス・細菌・微粒子を除去するフィルター機能、空気を温め・湿らせる加温・加湿機能があり、これらは上気道感染症の予防に極めて重要とされています。
口呼吸では、これらの防御機構を通らずに冷たく乾燥した空気が直接のどや気道に入るため、咽頭粘膜の乾燥・線毛運動(異物を排出する働き)の低下・唾液による抗菌作用の低下が起こり、感染症に対する局所免疫が低下します。
実際に、口呼吸の習慣がある人では反復性上気道感染・咽頭炎・扁桃炎・中耳炎などの発症が多いことが、複数の疫学研究で報告されています。
小児では特に、口呼吸とアデノイド肥大・反復性中耳炎・睡眠時無呼吸の関連が指摘されており、感染症だけでなく、成長・学習への影響も問題視されています。
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参考文献
・Felix VN, et al. PLOS ONE, 2014(口呼吸と学力・認知機能の関連)
・Ito Y, et al. Healthcare (MDPI), 2021(鼻呼吸と脳活動のfMRI研究)
・Journal of Cognition, 2018(呼吸様式と注意力・認知処理)
・日本耳鼻咽喉科学会誌(小児アレルギー性鼻炎と睡眠障害の関連)

