
風邪の代替療法は本当に効果があるの?
Q1.「風邪にハチミツが効く」と聞きましたが本当ですか?
A.一定の条件下では、科学的に効果が示されています。
1歳以上の小児において、就寝前にハチミツを摂取すると夜間の咳が軽減し、本人と保護者の睡眠の質が改善したという研究結果があります。
ただし、1歳未満の乳児には絶対に与えてはいけません(乳児ボツリヌス症のリスク)。
Q2.市販の塗り薬(ヴィックス ヴェポラップなど)は意味がありますか?
A.小児の夜間症状に対しては有効性が示されています。
2〜11歳の小児を対象とした研究で、夜間の咳、鼻づまり、睡眠障害が有意に改善したことが報告されています。
香りによる主観的効果だけでなく、臨床試験での裏付けがある点が特徴です。
Q3.乳酸菌やビフィズス菌は風邪を早く治しますか?
A.症状が続く期間を短くする可能性があります。
プロバイオティクス(乳酸菌・ビフィズス菌など)は、小児・成人ともに呼吸器症状の持続日数を軽減することが示されています。
「絶対にかからない」わけではありませんが、回復を後押しする補助的役割が期待されます。
Q4.昔から言われているビタミンCは効果がないのですか?
A.一般的な風邪予防・治療効果は否定的です。
多くの研究をまとめた解析では、ビタミンCの常用による風邪予防や罹患期間短縮の明確な効果は認められませんでした。
一部の特殊な条件(激しい運動負荷など)を除き、過度な期待は禁物です。
Q5.代替療法は「薬の代わり」になりますか?
A.あくまで補助的な対処法と考えるべきです。
これらの代替療法は、
✔ 軽症の症状緩和
✔ 睡眠の質の改善
といった点では有用ですが、医学的治療の代替ではありません。
高熱、息苦しさ、長引く症状がある場合は、早めの受診が大切です。
院長コメント
昔から伝えられてきた「おばあちゃんの知恵」の中にも、
最近になって科学的に裏付けられたものが増えてきました。
ハチミツに含まれるグルコースオキシダーゼという酵素は、過酸化水素を産生し、殺菌作用と粘膜保護作用をもつとされています。
また、特定の乳酸菌がインフルエンザ予防に関与する可能性を示した研究もあり、「腸内環境と免疫」の関係は今後さらに注目される分野です。
一方で、長年信じられてきたビタミンCの効果が否定的だったのは、正直なところ少し残念ですね。
いずれにしても、十分な睡眠・栄養・体調管理が何よりの風邪対策であることは変わりません。
合わせて読みたい
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医学的根拠
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ハチミツは小児の夜間咳嗽と睡眠障害を有意に改善
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外用メントール製剤は小児のかぜ症状緩和に有効
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プロバイオティクスは呼吸器感染症の症状持続期間を短縮
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ビタミンCの一般的な風邪予防・治療効果は否定的
参考文献
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Cohen HA, et al.
Effect of honey on nocturnal cough and sleep quality.
Pediatrics. 2012. -
Paul IM, et al.
Vapor rub, petrolatum, and no treatment for children with nocturnal cough.
Pediatrics. 2010. -
King S, et al.
Effectiveness of probiotics on the duration of illness in healthy children and adults.
Cochrane Database Syst Rev. 2014. -
Hemilä H, Chalker E.
Vitamin C for preventing and treating the common cold.
Cochrane Database Syst Rev. 2013.
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