400℃とスギ花粉の関係、知ってますか?
- shibata.ent

- 1月10日
- 読了時間: 3分
更新日:12 時間前
― 京都市の最新データを見ながら、耳鼻咽喉科専門医が解説 ―
トップページに表示している「1月1日からの最高気温の積算値」。
「これって、何を意味している数字なの?」そう思ってこのページを開かれた方も多いのではないでしょうか。
結論から言うとこの数字は、スギ花粉症の“本格シーズン突入”を予測するための重要な目安です。
ただし――理由を知らないまま数字だけ見ても、正しく行動にはつながりません。
まずは、少しだけ仕組みを説明します。
◆ そもそも「花粉の飛散開始日」とは?
「花粉の飛散開始」と聞くと、ある日を境に、突然花粉が大量に飛び始めると思われがちですが、実際はそうではありません。
実際には…
スギ花粉は年明けから、すでにごく少量ずつ飛散しています
その中で一定数以上の花粉が2日以上連続して観測された日
これが、正式に定義される**「スギ花粉の飛散開始日」**です
つまり、👉 体が反応し始める“境目”の日とも言えます。
◆ では、その飛散開始日は何で決まるのか?
ここで登場するのが、トップページに表示しているあの数字です。
ヒントは「気温」。
スギの雄花は、冬の寒さのあと、暖かさが積み重なることで一気に成熟します。
そこで使われてきた指標が――
「最高気温の積算」= 400℃
年明け以降の最高気温を、1日ずつ足し算していく。その合計が 約400℃ に達する頃にスギ花粉の本格飛散が始まりやすい。
この考え方を**「積算温度」**と呼び、古くから花粉飛散予測に用いられてきました。
◆ 400℃が意味する、もっと大事な話
この数字が教えてくれるのは、単なる「飛び始めのタイミング」だけではありません。
ポイントはこの2つです
① 暖かい日が多いほど、飛散開始は早まる
② でも、シーズンの終了は早まりません
つまり――花粉症の期間が長くなるということ。
皮肉ですが、冬は冬らしく寒い方が、花粉症の人にはやさしいという現象が起こるのです。
(参考)これまでの京都市のデータでは…
過去の京都市では、
年明け以降の最高気温積算が400℃を超えた前後で、飛散開始日を迎える
年によって1〜2週間の差が出ることも珍しくありません
だからこそ、トップページで毎日更新している**「積算値」**には意味があるんですね。
◆「寒波が来ているから大丈夫」ではありません
「寒い日が続いているから、まだ花粉は大丈夫ですよね?」よくある誤解がこれです。
確かに、
強い寒波が居座っている間は花粉飛散はいったん落ち着きます
しかし――
毎年よく見るパターンはこれ
寒さが和らいだ途端、一気に花粉飛散量が増加 → 症状が急に悪化する人が続出
飛散開始日以降は、「昨日まで大丈夫だったのに…」という方が一気に増えます。

では、今どう行動すべきか?
「花粉を吸わないために外出しない」――現実的ではありませんよね。
大切なのは、症状が強く出る“前”からの対策です。
実際におすすめしているのは
マスク(可能ならゴーグル併用)
体調管理
寝不足・疲労は症状悪化の大敵
点鼻薬・内服薬・点眼薬
本来は飛散開始前〜出始めに対策を始めるのが最も効果的です
◆ まとめ:なぜこの数字を毎日更新しているのか
年明け以降の**最高気温の積算(400℃)**はスギ花粉の本格飛散開始を予測する重要な目安
数字を見ることで**「そろそろ対策を始める時期か」**が判断できる
症状が出てからではなく出る前・出始めの行動が結果を大きく左右します
これからも1月1日以降の最高気温の積算値は毎日チェックして更新していきます。
花粉症→ 鼻づまり→ 睡眠不足→ 疲労蓄積→ さらに花粉症悪化……
こんな負の連鎖に入らないためにも、ぜひ「数字」と「体のサイン」の両方を意識してみてください。
症状の背景には、鼻・のどだけでなく生活習慣や体調全体の影響が関係することもあります。
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