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エアコンは何℃が正解? 耳鼻科医がおすすめする「冷え過ぎない」判断法

 夏になると診察室でこんなやり取りが増えます。

「先生、エアコンは何℃に設定したらいいですか?」

実は、この質問に**「26℃です」「28℃です」**と答えることは難しいです。

なぜなら、外気温や湿度、部屋の広さ、日当たり、服装、体質によって快適な温度は大きく変わるからです。

大切なのは、**設定温度ではなく「身体が冷え過ぎないこと」**です。


◆ エアコンで身体が冷えると何が起こる?

 身体が冷えると、体温を逃がさないように血管が収縮します。

鼻の粘膜も例外ではありません。

鼻の粘膜は血管が非常に豊富なため、血流の変化で粘膜がむくみやすくなります。

その結果、

  • 鼻づまり

  • 鼻水

  • くしゃみ

  • アレルギー症状の悪化

などが起こりやすくなります。

さらに、冷えによって首や肩の筋肉が緊張すると、頭痛やだるさを感じる人もいます。


◆ 「涼しい」のと「冷える」のは紙一重

患者さんの中には、「寒い程は温度を下げていないです。」とおっしゃる方が少なくありません。

ところが、始めは「涼しい部屋」でも長時間滞在すると「身体を冷やす」リスクが高まります。

この点を含めて話を詳しく聞くと、

  • 手足が冷たい

  • 靴下を履きたくなる

  • 肩がこる

  • 朝起きると鼻が詰まっている

ということが結構あります。

つまり、自覚している"寒さ"より先に、身体は冷えの影響を受けていることがあるのです。


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◆ エアコンの温度設定よりも、この3つをチェック

 私は患者さんに、次の3つを目安にしてくださいとお話ししています。

① 「寒い・冷える」と感じない

「少し我慢すれば大丈夫」ではなく、寒い・冷えると感じたら早めに調整しましょう。

② 冷たい風を直接浴びない

エアコンの風が顔や首、肩に当たり続けると、局所的に冷えて症状が出やすくなります。

風向きを上向きにしたり、座る位置を変えたりするだけでもダメージを減らせます。

③ 長時間冷え続けない

冷えは「一瞬」よりも「長時間続くこと」が問題です。

オフィスや自宅で長時間エアコンの効いた部屋にいる場合は、薄手のカーディガンやストール、腹巻きなどで調整するとよいでしょう。


◆ こんな症状があれば冷え過ぎのサイン

 次のような症状がある場合は、エアコン環境を見直してみましょう。

  • 手足が冷たい

  • 鼻づまりがひどくなる

  • くしゃみや鼻水が増える

  • 首や肩がこる

  • お腹や腰が冷える

  • 朝だけ症状が悪化する


◆ エアコンの冷え過ぎを防ぐコツ

 冷え過ぎのサインがある時は、以下の対策を検討してみましょう。

  • 設定温度を1~2℃上げる

  • 風向きを上向きにする

  • 風が直接当たらない場所に移動する

  • 薄手のカーディガンや腹巻きを使う


また、外気温との温度差が大きすぎると、身体は体温を保とうとして血管を収縮させます。その結果、鼻の粘膜がむくみやすくなり、鼻づまりやアレルギー症状が悪化することがあります。

「少し暑いかな?」という目安ではなく、「寒い」「冷える」と感じる時間をできるだけ作らないことがポイントです。

日によって気温や湿度は変わりますので、設定温度にこだわるより、自分の身体のサインを目安に調整してください。


◆ 夜、どうしても一晩中エアコンをつけるのが苦手な方へ

 熱中症予防の観点からは、就寝中も室温が上がり過ぎないようエアコンを使用することが勧められています。

それでも「一晩中つけっぱなしだと身体が冷えてしまう」「眠れない」という方も少なくありません。


そのような場合は、

  • 就寝前に部屋を十分に冷やしておく

  • 寝る直前に設定温度を見直し、必要に応じてタイマーを活用する

  • 夜中に暑さで目が覚めたら、無理に我慢せずエアコンを再度使用する

  • コップ一杯程度の水分を補給してから再び眠る

といった工夫が役立つことがあります。

大切なのは、「朝までエアコンを切ること」ではなく、暑さも冷え過ぎも避けることです。


◆ 「設定温度」より「身体の反応」を目安に

 エアコンの設定温度は、人によっても、その日の気温や湿度によっても最適な値が変わります。

そのため、「何℃なら正解」という答えはありません。

一方で、身体は正直です。

寒さを我慢したり、冷えた状態を何時間も続けたりすると、鼻やのどは敏感に反応します。

ぜひ、「今日は寒くないかな?」ではなく、「身体が冷えていないかな?」という視点でエアコンを使ってみてください。


◆ まとめ

 夏は熱中症対策のためにエアコンは欠かせません。

だからこそ、「使わない」のではなく、「冷やし過ぎない」ことが大切です。

鼻づまりやアレルギー症状がなかなか改善しない方は、お薬だけでなく、エアコンの使い方も一度見直してみてはいかがでしょうか。



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