睡眠時無呼吸症候群 Sleep Apnea Syndrome:SAS

● SAS(睡眠時無呼吸症候群)とは?
 

◆ はじめに ◆
 

  いびきをかいているとき、私たちの睡眠はどのようになっているでしょうか。
人間の睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しています。

ノンレム睡眠は、眠りの深さによって4段階に分けられます。第1段階はうとうとした状態、第2段階は軽い寝息が聞かれる状態、第3・4段階がいわゆる深い睡眠です。脈拍・呼吸・血圧などの自律神経機能は安定しており、脳の休息に深く関連しています。

レム睡眠の特徴は、急速眼球運動が現れ、脈拍・呼吸・血圧などの自律神経機能が不規則に変化します。 ただし、筋肉の緊張はほとんどなくなり、身体の休息状態とされています。

 健康な人の場合は、比較的浅いノンレム睡眠から入って、徐々にレム睡眠へと移っていきます。ところが、いびきや睡眠時無呼吸がある人は、レム睡眠に入る前に息苦しくなったり、途中で目を覚ましてしまったりすることが多く、なかなか熟睡できないのです。

図: 健常者とSAS患者の睡眠構築

( HOME CARE TODAY vol.7 No.3 2003 より )

 健常者(A)に比べて、SAS患者(B)では、深睡眠であるnon-REM睡眠3~4期(S3~S4)がほとんどなく、中途覚醒(wake)が頻発している。

◆ 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)の定義 ◆
 

 

 ひと晩7時間の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上あるか、

あるいは1時間当たりの睡眠中に10秒以上の無呼吸が5回以上ある

又は、

 睡眠中に10秒以上の無呼吸あるいは低呼吸状態が反復して起こり(1時間あたり5回以上)、

昼間の眠気や易疲労性などの症状を伴う病態

 

 無呼吸/低呼吸によって血中の酸素が低下し、二酸化炭素が増加します。この刺激で脳が一過性の覚醒反応を起こし、呼吸中枢は呼吸筋に対して呼吸運動を活発にするよう指令を送ります。呼吸筋はこれに促されて呼吸運動を活発化し、換気する力を強めていきます。気道が閉塞・狭窄している部分の抵抗よりも換気する力が大きくなった時に、気道が開放されて呼吸を再開します。この時の大きな呼吸が、いったんいびきが静かになった(=無呼吸になった)あとに再び起こる、大いびきです。


 SASのある人は、夜間の睡眠中にこの無呼吸/低呼吸状態と激しいいびき(呼吸停止状態からの回復)を交互に繰り返すのです。その度に脳が覚醒してしまうので、結果として十分な睡眠が得られません。

◆ 無呼吸の型分類 ◆

 

無呼吸は以下に示す三つの型に分けることができます。


〓 閉塞型 〓
 胸部や腹部による呼吸運動が行われているにもかかわらず上気道が閉塞して鼻や口呼吸できなく無呼吸となるもの。

呼吸再開時に大きな「いびき」を伴うのが特徴です。
身体の構造上の問題、つまり、鼻中隔弯曲症や扁桃肥大などの

鼻やのどの異常、また、あごが小さいとか肥満になどによって

気道が閉塞して起こるものです

 SASの95%を占め、最も身体へ悪影響を与えるタイプです。
 

 

〓 中枢型 〓
 上気道を含む肺、胸郭、呼吸筋、末梢神経にも異常はないのに、呼吸中枢の障害によって、呼吸を促している筋肉が動かなくなって無呼吸状態になるものです。いびきはそれほど大きくなく、加齢などで増加します。

 

 

〓 混合型 〓
中枢型の無呼吸と閉塞型の無呼吸が複合するものです。

◆ 原因・頻度 ◆

 

 いびきはのどの奥、口蓋垂(のどちんこ)と軟口蓋(のどちんこの周辺)の粘膜が振動して起こる場合が多いのです。
呼吸というのは、鼻で空気を吸い込んで肺に送り、逆に肺から二酸化炭素を吐き出します。このとき、空気や二酸化炭素は、のどの奥の「気道」を通っていきます。

  睡眠状態では全身の筋肉がゆるみ、上気道が狭くなります。さらに、舌のつけ根が落ち込みさらに気道が狭くなるのです。通常の場合は呼吸に影響を与えるほどの変化は起こりませんが、気道の形態的もしくは機能的な障害がある場合にはいびきとなり、さらに上気道が完全にふさがれてしまうと睡眠時無呼吸を引き起こします。

 

上気道がふさがれる原因として多いのは次に示す通りです。
 

1)肥満
2)軟口蓋(咽頭の奥の粘膜)の余剰粘膜が多い、舌・扁桃が大きい
3)顎が小さい
4)鼻づまりがあり、口で呼吸をしている


a)正常の呼吸状態(気道が広く保たれている)
b)口蓋垂レベルで気道が閉塞(矢印の部分) 舌のつけ根が下方に落ち込み、さらに気道が狭くなる


SASの頻度としては、成人男性の3~4%、女性の1~2%と言われています。その頻度は気管支喘息とほぼ同じです。
年齢としては男性では40~50歳代に多く、女性では閉経後に増加します。

耳鼻咽喉科・アレルギー科 柴田クリニック    

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