鼻うがいのメリット・デメリットを耳鼻科医目線で解説します
- shibata.ent

- 2016年3月16日
- 読了時間: 3分
更新日:3 日前

最近、よく患者さんから「鼻うがい」について質問を受けます。
文字通り<鼻の中を”うがい”して洗浄する>という方法なんですが、この鼻うがい、花粉症・副鼻腔炎・慢性鼻炎などによる鼻づまりなどの不快な症状を和らげたい方にも注目されている方法です。。
鼻うがいの目的は?
外部から侵入した異物(ホコリ・花粉など)をブロックする、鼻腔に入ったウイルスを捕らえて感染を予防・阻止する、吸い込んだ空気の温度・湿度を適切な状態に保つ、などの役割を持つ鼻。
その鼻の中をキレイにする目的で洗浄するんです。のどを守るためにうがいするのと同じ感覚、と考えてもらうとわかりやすいかもしれません。
ただ、どんな方法にもメリット・デメリットがあるので、その部分を知った上でトライして欲しいのです。今回はそのお話し。
洗浄水の作り方・洗浄方法
◎食塩水の作り方
お湯(37度前後)1リットルに食塩9gを溶かします(濃度でいえば0.9%)。
洗浄に用いる量は1度に約300ml程度でしょうか。
最近ではドラッグストアやネットで1回分ずつ分包して販売されているものもあります。
◎洗浄器具
様々なものがありますが、どれも目的・使用方法はほぼ同じ。
◎洗浄方法
「えー」と声を出しながら片方の鼻腔を洗浄
洗浄液は反対側の鼻孔、もしくは口から出てくる
鼻うがいのメリット
・洗浄することで鼻腔内を清潔に保つことができる(出しきれない鼻汁を洗い流す)
・鼻粘膜をキレイな・良い状態にすることで免疫機能を保持・向上させる
・結果、鼻づまり・鼻閉・後鼻漏(鼻がのどの流れ込む)などを軽減できる
鼻うがいのデメリット
・温度・塩分濃度が適切でないと、かえって炎症を起こしてしまう
・圧力が強すぎると中耳炎を起こすことがある
・洗浄後にキチンと鼻をかまないと耳・鼻・副鼻腔の炎症を起こすことがある
=鼻をキチンとかめない人には難しい
鼻うがいのタイミング・頻度
もちろん、「実際に炎症が起こった時に初めて洗浄」はダメです。
調子が悪くなってから慌てて洗浄を、では遅いんですね。
要するに、「良い状態を保つために普段から行いましょう」ということなんです。
慢性の鼻疾患を持つ方以外は毎日行う必要はありませんが、必要なタイミングで行いましょう。「屋外である程度長時間滞在した日」「大掃除した時」「埃っぽい場所に行った後」などが該当するでしょうか。
同じ目的で「蒸気吸入」という方法もありますが、こちらも安全性も高くて安心かな、と思っています(鼻洗浄機器の販売会社さん、スミマセン)。
よくある質問
❓ 鼻うがいは毎日していい?
鼻の状態が良ければ、毎日の必要はありません。ホコリっぽい環境にいた後や花粉の時期など、状況に応じて行うのが理想です(慢性鼻炎/副鼻腔炎の方は毎日できると理想的)。
❓ 鼻うがいで痛い・ツーンとするのは?
食塩濃度や温度が合っていない可能性があります。0.9%(お湯1Lに食塩9g)の濃度と温度(37℃前後)を守ると刺激が軽減します。
まとめ
日常的に鼻うがいをすることで鼻の中をキレイに保ち、結果として本来の「鼻の機能」が十分に働くようにできるという訳ですね。
皆さんも是非一度トライしてみて下さい!
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