夏休み、お盆の帰省等で飛行機を利用する方は多いと思いますが、今回は飛行機に乗る際の注意点について。
飛行機利用に関するトラブルとしてNo.1は恐らく「耳のトラブル」ではないでしょうか。
機が高度を下げて着陸態勢に入って間もなく耳がつまったような感覚から始まり、最初のうちは唾を飲んだりすることで解消されていたものが徐々に収まらなくなっていく。最後には耳の痛みに襲われ、場合によっては頭痛まで起こる・・・。
いわゆる「航空性中耳炎」と呼ばれるもので、機内外の気圧変化に上手く対応できない場合に発症します。
では、航空性中耳炎の予防と対策はどうすれば良いのでしょう?
まず、耳のしくみについて。
我々の中耳(鼓膜の奥にある、骨に囲まれた空気の部屋)は耳管(=じかん)という細い管で鼻の奥(外界)とつながっています。
この耳管は通常時には閉鎖しており、大きい口を開けた時や飲み込む動作をした時に一瞬開いて中耳の圧を鼻の奥(外界)に開放してバランスを取っています。
つまり、耳管の機能が十分に発揮されないと中耳に過剰な圧がかかって中耳炎を起こす、ということですね。
では、耳管機能を低下させる原因について。
1)生まれつき耳管機能が良くない
2)風邪気味、アレルギーなどの炎症がある(特に鼻の炎症)
3)夏バテ等の体調不良
4)寝不足、疲れ気味
5)気温・気候・室温の影響
1)~5)のいずれかの要素をお持ちの場合、飛行機に乗る前に処置・投薬等の対処をすることで耳への負担を軽減することが可能です。
過去にツラい経験がある方、少しでも負担・不安を少なくできるよう対処につき相談させて頂きますね。
え?相談に行く時間がない?
そんな方に、臨時でできる対処法を。
飛行機が上昇して水平飛行に移る前の段階で圧変化に対応できないと下降時に痛くなります。
ということで、
・離陸後、水平飛行に移るまでの間は飲み込む動作を定期的に行う(飴かガムがあると良いです)
・機内ではアルコールを避ける(飲酒の影響で耳管機能が低下します)
・身体を冷やさないようにブランケット等を活用する(身体が冷えると耳管機能が低下します)
・もちろん、寝不足・疲れは禁物
・どうしてもの時は仕方なく痛み止めの薬を
みなさま、無理なく楽しいフライトを楽しんで下さいね。