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イヤホンの正しい使い方を耳鼻科医が解説

更新日:11月21日

イヤホン・ヘッドホンの使い方、間違っていませんか?
―知らないうちに“聞こえの神経”が傷つくことも―


はじめに


 今では、街のどこを見てもイヤホンやヘッドホンをつけた人を見かけます。コロナ禍以降はオンライン会議やリモート授業などが増え、イヤホン類は生活の必需品になりました。

しかし、便利な一方で 「間違った使い方」 が広がっていることをご存じでしょうか。


以前話題になった「イヤホンガンガンゲーム」のように、大音量で音楽を流しながら遊ぶ行為が若い世代を中心に拡散した過去があります。楽しそうに見えますが、耳にとっては非常に危険です。

はっきり言います。「絶対にダメです!」



聞こえの神経が傷つく? ― 音響外傷とは ―


 大きな音を聞くことで耳の奥にある「聞こえの神経(有毛細胞)」が傷つく状態を 音響外傷 と呼びます。

ライブ後に「キーンとする」「耳が詰まった感じがする」という症状が出ることがありますが、これは神経がダメージを受けたサイン。

多くは数時間から半日ほどで回復しますが、ダメージが強い場合や繰り返す場合には難聴が残ったまま治らないこともあります。


海外では、デジタル音楽プレーヤーと難聴の関連を示す研究も報告されています。

つまり、イヤホンの使い方次第で若い世代の聴覚が確実に危険にさらされている、ということです。



ヘッドホン・イヤホン難聴は“治りにくい”


 耳の神経細胞は一度傷つくと 再生できません。

「調子が悪いな」と思っても放置してしまうと、・聞こえにくさが残る・耳鳴りが消えないなど、日常生活に長く影響が出る可能性があります。

特に・大音量・長時間使用の組み合わせは最も危険です。



安全に使うためのポイント


 耳の健康を守るために、以下の点を意識しましょう。

● 連続使用は 60分以内

使ったら10分程度は耳を休ませる習慣を。

● 音量は「やや小さめ」

音量の目安は、スマホの音量バー 半分以下 が推奨。

● 周囲の音がまったく聞こえないほどの音量はNG

人の声や環境音がある程度聞こえる範囲で。

● ノイズキャンセリングを上手く活用

外の騒音が大きいほど音量を上げがちに。ノイキャンは「音量を上げなくて済む」点で有効です。

● 音漏れしていないか確認

音漏れは「大音量の証拠」。聞こえの神経に負担がかかっています。



まとめ


 イヤホン・ヘッドホンはとても便利ですが、使い方次第で 取り返しのつかない聴力障害 を引き起こすことがあります。

・音量を控えめに

・長時間連続で使わない

・「聞こえに違和感」があれば早めの受診


耳の健康は一度失うと戻りません。日頃のちょっとした習慣で、大切な聴力を守りましょう。



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