イヤホンの正しい使い方を耳鼻科医が解説
- shibata.ent

- 2016年8月24日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年12月19日
イヤホン・ヘッドホンの使い方、間違っていませんか?
―知らないうちに“聞こえの神経”が傷つくことも―
◆ はじめに
今では、街のどこを見てもイヤホンやヘッドホンをつけた人を見かけます。コロナ禍以降はオンライン会議やリモート授業などが増え、イヤホン類は生活の必需品になりました。
しかし、便利な一方で 「間違った使い方」 が広がっていることをご存じでしょうか。
以前話題になった「イヤホンガンガンゲーム」のように、大音量で音楽を流しながら遊ぶ行為が若い世代を中心に拡散した過去があります。楽しそうに見えますが、耳にとっては非常に危険です。
はっきり言います。「絶対にダメです!」
◆ 聞こえの神経が傷つく? ― 音響外傷とは ―
強い音を聞くことで、耳の奥にある「聞こえの神経(有毛細胞)」が傷つく状態を音響外傷と呼びます。
ライブや大音量の音楽のあとに
耳がキーンと鳴る
耳が詰まった感じがする
といった症状が出た経験はありませんか? これは、聞こえの神経がダメージを受けた危険信号です。
多くの場合は数時間〜半日ほどで回復しますが、
音が非常に大きい場合
ダメージを何度も繰り返した場合
には、難聴が残ったまま回復しないこともあります。
海外では、デジタル音楽プレーヤーの使用と若年層の難聴との関連を示す研究も報告されており、イヤホンの使い方次第で聴覚が確実に危険にさらされることが分かっています。
こちらを参考に → デジタル音楽プレーヤーで難聴に?
つまり、イヤホンの使い方次第で若い世代の聴覚が確実に危険にさらされている、ということです。
◆ ヘッドホン・イヤホン難聴は“治りにくい”
耳の神経細胞は、一度傷つくと基本的に再生しません。
そのため、
聞こえにくさが残る
耳鳴りが消えない
といった症状が、長期間にわたって生活の質を下げてしまうことがあります。
特に注意が必要なのが、
大音量
長時間使用
この2つが重なるケースです。これは耳にとって最も危険な使い方です。
◆ 安全に使うためのポイント
耳の健康を守るため、次の点を意識しましょう。

・ 連続使用は60分以内
使ったあとは、10分程度耳を休ませる習慣をつけましょう。
・ 音量は「やや小さめ」
目安は、スマートフォンの音量バーで半分以下です。
・ 周囲の音がまったく聞こえない音量はNG
人の声や環境音がある程度聞こえる状態が安全です。
・ ノイズキャンセリング機能を上手に活用
周囲がうるさいと、無意識に音量を上げがちです。ノイズキャンセリングは「音量を上げなくて済む」という点で、耳の負担軽減に役立ちます。
・ 音漏れしていないか確認
音漏れは大音量のサイン。聞こえの神経に強い負担がかかっています。
◆ まとめ
イヤホン・ヘッドホンは非常に便利な道具ですが、使い方を誤ると取り返しのつかない聴力障害を引き起こすことがあります。
音量は控えめに
長時間の連続使用を避ける
聞こえに違和感があれば、早めに受診を
耳の健康は、一度失うと元には戻りません。
日々のちょっとした意識が、将来の大切な「聞こえ」を守ります。
当院のホームページでは、ヘッドホン・イヤホン難聴をはじめ、
外耳炎
中耳炎
突発性難聴
耳鳴り・耳の詰まり感
など、日常でよくある耳のトラブルを分かりやすく解説しています。
「これって大丈夫?」と感じたら、ぜひ他の記事も参考にしてください。




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