この度「アレルギー性鼻炎」の診療の指標となるガイドライン(GL)に変更が加えられました。
その中で私が重要だと思う点があるのですが・・・、実はこれに関連するブログを2016年に書いていたので、その記事を再掲した上で追加の解説をしてみます。
みなさんにも知っていて欲しい内容なので、是非読んでみて下さい。
****************** 以下 再掲記事 ******************
Aさんはくしゃみ・鼻水・鼻づまり・眼の痒みなどの症状に悩まされて病院を受診しました。
Aさんも診察する医師も「アレルギー性鼻炎だろうなー」と思って治療を進める。
とある機会に「原因を調べてみましょう」と採血検査をしたものの、抗原(アレルギーの原因物質)は何も検出されず、体内でのアレルギー反応の程度を示す数値も正常!
Aさん 「絶対に花粉症だと思ってたのに!」とビックリ・・・。
こんな事例があるんです。
実は最近、”鼻粘膜局所で反応する局所型アレルギー性鼻炎”と言われる病態が存在することがわかってきました。
この場合、鼻水を採取して行うアレルギー反応検査では陽性反応が出るのですが、全身反応をチェックする採血などの検査では陰性になってしまうんですね。
結局、治療・対処法等は普通の(?)アレルギー性鼻炎と同じなのですが、ひとつ注意すべき点があるんです。
それは、
1.局所型アレルギー性鼻炎の患者さんは、その後普通のアレルギー性鼻炎に移行することが多い(言うなれば花粉症予備軍)
2.さらに、将来的に喘息を発症する症例も存在する
ということです。
該当する患者さんは、今のうちから抗原になり得る物質(ハウスダスト・花粉・ペットの毛など)をなるべく避ける対策を取るのが正解。
「検査でアレルギー反応出なかったから安心」なんて言っていてはダメなんですね。
****************** 以上 再掲記事 ******************
いかがでしたか?
「既に知っていた」という方もおられるかもですが、多くの方の感想は「へぇ~」だったのでは?
ここに追加する事項としては、「診断のためには<鼻誘発試験>を行う」ということ。
これは、原因と疑われる抗原を鼻粘膜に接触させることでアレルギー症状が誘発されるかどうかを調べる検査、なのです。
が、この検査は一般のクリニックではなかなか難しいのが実情かと思います。
局所型アレルギー性鼻炎と診断された場合、内服・点鼻薬などを使用しながら、日常生活の様々な場面において<どのような状況/状態が自身の鼻症状悪化に引き金になるか>をチェックできると良いです。
例えば(屋外に長時間滞在)、逆に(エアコンの効いた室内に長時間滞在)、(急な気温/気候の変化)、(寝不足/疲労の有無)など。負担になりそうな状況が把握できれば対策につなげることも可能になってくるので、意識してみると良いのではないでしょうか。
結論、疑わしい症状・経過がある場合は必要な診察・検査を行い、適切な治療/日常生活での対策につなげましょう!、ということですね。
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