最近、よく患者さんから「鼻うがい」について質問を受けます。
文字通り、鼻の中を”うがい”して洗浄する、という方法なんですね。
外部から侵入した異物(ホコリ・花粉など)をブロックする、鼻腔に入ったウイルスを捕らえて感染を予防・阻止する、などの役割を持つ鼻。
その鼻の中をキレイにする目的で洗浄するんです。のどを守るためにうがいするのと同じ感覚、と考えてもらうとわかりやすいかもしれません。
ただ、どんな方法にもメリット・デメリットがあるので、その部分を知った上でトライして欲しいのです。今回はそのお話し。
◎食塩水の作り方
お湯(37度前後)1リットルに食塩9gを溶かします(濃度でいえば0.9%)。
洗浄に用いる量は1度に約300ml程度でしょうか。
◎洗浄器具
様々なものがありますが、どれも目的・使用方法はほぼ同じ。
◎洗浄方法
「えー」と声を出しながら片方の鼻腔を洗浄
洗浄液は同側もしくは対側の鼻孔、口から出てくる
<メリット>
・洗浄することで鼻腔内を清潔に保つことができる
・鼻粘膜を良い状態にすることで免疫機能を保持・向上させる
・結果、鼻づまり・鼻閉・後鼻漏(鼻がのどの流れ込む)などを軽減できる
<デメリット>
・温度・濃度が適切でないと、かえって炎症を起こしてしまう
・圧力が強すぎると中耳炎を起こすことがある
・洗浄後にキチンと鼻をかまないと耳・鼻・副鼻腔の炎症を起こすことがある
=鼻をキチンとかめない人には無理
もちろん、「実際に炎症が起こった時に初めて洗浄」はダメです。
調子が悪くなってから慌てて洗浄を、では遅いんですね。
要するに、「良い状態を保つために普段から行いましょう」ということなんです。
同じ目的で「蒸気吸入」という方法もありますが、こちらも安全性も高くて安心かな、と思っています。
(鼻洗浄機器の販売会社さん、スミマセン)
➡ 「鼻うがいのメリット・デメリット、その後」(2020.05.06 追加しました)
➡ 「鼻うがいのメリット・デメリット その3」(2021.06.24 追加しました)